
こんにちは。多賀です。
googleのプロジェクト・アリストテレスの結果から、『心理的安全性』という言葉や定義が当たり前のように使われるようになりました。
もともとコーチング研修やコミュニケーション研修、研修内のグループワークを始める前に「安心して話せる環境づくり」については伝えてはいましたが、『心理的安全性』という言葉のおかげで、説明がしやすくなったのです。
それまでは「仕事のこと以外を話すことは無駄な時間」とも捉えられることや、「話さない方が悪い」と思われることも多くありました。
コロナ中に動画、SNSコンテンツが増えたことも起因していると思われますが、「心理的安全性」という言葉に参加者がなじみを持ってくれるため、理解までに時間がかからず、素直に受け入れてくれます。
![]() 恐れのない組織–
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研修でポイントとお伝えしているのは、「どうしてなんでも話せない心境になるのか?」についてです。
会議でも面談でも、仕事中でも「なんでも話してね」「わからなかったら訊いてね」と言われても、そんなに素直に話すことはありません。
そこにはどんな心理が働いているのでしょうか?
目の前の上司や先輩が信頼できないから、だけではありません。
話す側の心の中には、もっと根源的に感じている不安があります。
それらをまとめたのが下の図です。
「無知」「無能」「邪魔」「否定的」であると見られることを、恐れているのです。
教育やビジネスでは「知っている」「能力がある」「邪魔しない」「肯定的であること」が、価値があることだと判断される環境だからです。
「無知」「無能」「邪魔」「否定的」と思われることが自分にとってリスクになってしまうのです。
例えば、会議等では発言しないのは、「わかっていないかもしれない自分」「出来ない自分」を見せる行為でもあり、評価が悪くなるリスクが大きいのです。
しかし、よくよく冷静に眺めてみれば、いい環境と言えない状況をお互いがつくっているのです。
そのメカニズムを知り、誰もがそう言った不安を持っていると知るだけで、気持ちが楽になるはずですし、どうしたら不安を減らしていけるのか、対策もつくれるでしょう。
なぜ、なんでも話せる環境や関係性になれないのか?を、誰かのせいにするよりも、
人間の特性を理解してもらい、自分も含めてその環境をつくっているんだと視点が変わるだけで、スタートラインが見えてくると思うのです。